[内容紹介(上巻)]
整数論における金字塔としての岩澤理論。1950年代に岩澤健吉が手がけた研究に端を発する。その後、p進ガロワ表現やガロワ表現の変形空間の岩澤理論、さらには非可換岩澤理論へと大きく一般化された。本書は、この新しい岩澤理論を解説する待望の教科書である。上巻では、原点であるイデアル類群の円分岩澤理論を解説する。(全2冊)
[内容(上巻)(「BOOK」データベースより)]
整数論における金字塔としての岩澤理論。1950年代に岩澤健吉が手がけた研究に端を発する。その後、p進ガロワ表現やガロワ表現の変形空間の岩澤理論、さらには非可換岩澤理論へと大きく一般化された。本書は、この新しい岩澤理論を解説する待望の教科書である。上巻では、原点であるイデアル群の円分岩澤理論を解説する。
[内容紹介(下巻)]
整数論における金字塔としての岩澤理論。フェルマーの最終定理の解決以後も目覚ましく進展している。下巻では、「p進表現の円分岩澤理論」「ガロワ変形の岩澤理論」を説明する。上巻とのつながりを考慮し、「楕円曲線の岩澤理論概説」を1章に置いた。いまだ和書のない「肥田理論」などの解説のほか貴重な知見も数多く提供する。(全2冊完結)
[内容(下巻)(「BOOK」データベースより)]
整数論における金字塔としての岩澤理論。フェルマーの最終定理の解決に寄与した後も目覚ましく進展している。「イデアル類群の円分岩澤理論」を論じた上巻に対し、下巻では、「p進表現の円分岩澤理論」「ガロワ変形の岩澤理論」を扱う。上巻とのつながりを考慮し、「楕円曲線の岩澤理論の紹介」を加え、またいまだ和書のない「肥田理論」などの解説ほか、他書にない貴重な知識を提供する。
[著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)]
落合/理
1972年生まれ。2001年東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了。数理科学博士。現在、大阪大学大学院理学研究科准教授。専攻は整数論および数論幾何学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Author(s): 落合理 / Tadashi Ochiai
Series: 岩波数学叢書 / Iwanami Studies in Advanced Mathematics
Publisher: 岩波書店
Year: 2014, 2016
Language: Japanese
Pages: 592
落合理(2014):岩澤理論とその展望(上). 岩波数学叢書, 岩波書店......Page 1
まえがき......Page 5
第I部 イデアル類群の円分岩澤理論......Page 12
1.1 Fermatの最終定理とイデアル類群......Page 14
1.2 Riemannのゼータ函数の特殊値にひそむ大事な意味......Page 17
1.3 函数体と代数体の不思議な類似......Page 19
1.4 Fermatの最終定理の完全解決......Page 21
2.1 Z_p拡大の存在......Page 24
2.2 岩澤代数の定義と性質......Page 32
2.2.1 ベキ級数環としての岩澤代数......Page 33
2.2.2 測度のなす環としての岩澤代数......Page 37
2.2.3 正則函数環としての岩澤代数......Page 38
2.2.4 変形環やHecke環としての岩澤代数......Page 40
2.3 岩澤加群の性質......Page 41
2.3.1 岩澤加群の基本事項と有限性補題......Page 42
2.3.2 ネーター正規整域上の加群の構造定理......Page 44
2.3.3 岩澤加群の構造定理と岩澤不変量......Page 50
2.3.4 岩澤加群の特殊化に関する代数的な準備......Page 54
3.1.1 岩澤類数公式......Page 62
3.1.2 岩澤類数公式の証明......Page 64
3.1.3 イデアル類群の構造の補足......Page 69
3.1.4 イデアル類群に関して知られた結果や予想......Page 73
3.2.1 解析的p進L函数の存在定理......Page 77
3.2.2 Bernoulli数とDirichletのL函数の特殊値......Page 82
3.2.3 岩澤によるp進L函数の構成......Page 84
3.2.4 Coleman写像によるp進L函数の構成......Page 90
3.3.1 イデアル類群の円分岩澤主予想......Page 110
Dedekindゼータ函数の類数公式の基本事項......Page 117
3.3.2 モジュラー的な方法による証明......Page 121
肥田変形の基本事項......Page 129
3.3.3 Euler系の方法による証明......Page 137
3.4 一般の体における「イデアル類群の岩澤主予想」......Page 154
3.4.1 総実代数体のアーベル拡大の場合......Page 155
3.4.2 CM体のアーベル拡大の場合......Page 157
3.5.1 イデアル類群の構造や性質について(代数的側面)......Page 165
3.5.2 p進L函数の特殊値や性質について(解析的側面)......Page 166
3.5.3 イデアル類群の岩澤理論の全般的な問題と展望......Page 171
A.1 モジュラー形式と付随するガロワ表現......Page 174
A.2 代数的Hecke指標と付随するガロワ指標......Page 177
ブックガイド......Page 180
参考文献......Page 182
記号一覧......Page 192
索引......Page 194
落合理(2016):岩澤理論とその展望(下). 岩波数学叢書, 岩波書店......Page 198
まえがき......Page 202
第II部 p進表現の円分岩澤理論......Page 210
4. 楕円曲線の岩澤理論の紹介......Page 212
4.1.1 楕円曲線と古典的なSelmer群......Page 213
4.1.2 古典的なSelmer群とGreenbergのSelmer群の比較......Page 230
4.2.1 Hasse-Weil L函数の定義とBSD予想の定式化......Page 237
4.2.2 円分p進L函数の構成と関連する予想......Page 241
モジュラーシンボルの方法......Page 243
Rankin-Selbergの方法......Page 245
4.3.1 知られた結果の概観......Page 248
4.4 楕円曲線の円分岩澤主予想......Page 256
5.1 舞台設定......Page 260
5.1.1 言葉の補足......Page 261
5.1.2 大事な設定条件と具体例......Page 264
5.2 Selmer群の定義......Page 274
5.2.1 Bloch-加藤のSelmer群......Page 275
5.2.2 GreenbergのSelmer群......Page 278
5.2.3 Selmer群の比較定理およびコントロール定理......Page 280
5.3 基本予想 A, B, C......Page 288
5.3.1 基本予想A(Selmer群の有限性予想)......Page 294
5.3.2 基本予想B(p進L函数の存在予想)......Page 296
基本予想B-I......Page 306
基本予想B-II......Page 311
基本予想C-I......Page 313
基本予想C-II......Page 320
6.1 階数1の場合の状況......Page 324
6.2 階数2の場合の解析的側面に関する結果......Page 328
6.2.1 モジュラーシンボルの方法によるp進L函数の構成......Page 336
6.2.2 Rankin-Selbergの方法によるp進L函数の構成......Page 349
期待されるフーリエ係数の整性(integrality)......Page 358
期待されるフーリエ係数の間の合同......Page 361
6.2.3 虚数乗法を持つ場合のp進L函数......Page 363
6.3 階数2の場合の岩澤主予想の結果の概観......Page 369
6.4 Beilinson-加藤 のEuler系の構成......Page 376
6.4.1 de Rham実現におけるゼータ値公式......Page 379
6.4.2 エタール実現と双対指数写像の計算......Page 382
6.5.1 Coleman写像の構成......Page 387
6.5.2 Euler系の方法によるSelmer群の評価......Page 397
6.5.3 岩澤主予想に関する結果の証明......Page 399
6.6.1 階数3以上での基本予想 A, B, C の現状......Page 403
6.6.2 岩澤主予想のための一般的なアプローチの方法......Page 407
Euler系の方法......Page 408
Eisensteinイデアルの方法......Page 413
岩澤主予想に関するそれ以外の方法......Page 417
p概通常的でない場合(超特異な場合)の岩澤理論......Page 418
(一般化された) p進BSD予想......Page 422
自明零点(trivial zero)の現象......Page 425
第III部 ガロワ変形の岩澤理論......Page 428
7. ガロワ変形の岩澤理論の設定......Page 430
7.1 舞台設定......Page 431
7.2 楕円モジュラー肥田変形......Page 433
7.2.1 楕円モジュラー肥田変形の結果の概観......Page 434
7.2.2 楕円モジュラー肥田変形の証明の概略......Page 445
7.3 それ以外のガロワ変形の例......Page 454
7.3.1 一般化された肥田変形の理論......Page 455
7.3.2 ガロワ表現の変形理論......Page 459
7.4 ガロワ変形のSelmer群の定義......Page 462
7.5 ガロワ変形のSelmer群のコントロール定理......Page 467
7.6 基本予想 A, B, C......Page 476
8.1 階数1の場合......Page 486
8.2 階数2の場合......Page 487
8.2.1 p概通常的肥田変形での基本予想A,B,Cの結果......Page 488
8.2.2 p概通常的肥田変形の岩澤主予想の証明......Page 498
8.3.1 階数3以上での基本予想A,B,Cの現状......Page 521
8.3.2 ガロワ変形の岩澤理論の新現象や新しい問題......Page 527
8.3.3 いくつかの新しい概念の紹介......Page 528
モジュラー曲線......Page 532
カスプ形式の空間の有限次元性と代数性......Page 535
Hecke作用素とHecke環......Page 538
原始形式とHecke作用素......Page 540
Hecke環とモジュラー形式の双対性......Page 542
HeckeL函数の積分表示と函数等式......Page 543
モジュラー曲線上の局所系とEichler-志村同型......Page 544
純モチーフの定義と例......Page 546
純モチーフの様々な実現について......Page 548
異なる実現の間の比較定理......Page 549
p進周期環の定義......Page 550
p進周期環の性質......Page 551
p進Hodge理論の比較定理......Page 552
様々な表現の型*の定義と例......Page 554
フィルトレーションと(双対)指数写像について......Page 555
加群の構造を測る様々なイデアル......Page 557
Cohen-Macaulay, Gorenstein, 有限平坦, などの性質について......Page 558
参考文献......Page 564
記号一覧......Page 584
索引......Page 588