オイラー積原理 素数全体の調和の秘密

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《素数全体が調和している》とは素数の研究を半世紀以上行って来た私が強く感じていることです.
本書は,素数の調和の秘密を伝えたくて執筆したものです.ここでは,“素数全体の調和"を“オイ ラー積原理"から考えます.
オイラー積とは,今から三百年近い昔の1737 年にオイラーが水の都サンクトペテルブルクにて発 見したものです.そのおかげで,素数の秘密はゼータ関数というオイラー積によって解明されて来ま した.
オイラー積原理とは,オイラー積の伸びゆく解析性を各素数ごとのオイラー因子の“リーマン予 想"によって判定するという結果です.《素数・オイラー積・リーマン予想》は数論研究の三つの鍵 を与えていて,これからも長い間の研究を導いてくれるものです.
ぜひ,本書で読者諸賢の研究を期待します.

Author(s): 黒川 信重
Publisher: 現代数学社
Year: 2022

Language: Japanese
Pages: 234
Tags: Number Theory, Euler Product

はじめに
第1章 オイラー積原理とは
1.1 素数の積
1.2 オイラー積
1.3 オイラー積原理
1.4 ある類似
1.5 リーマン面のセルバーグゼータ関数
1.6 展望
第2章 関数等式
2.1 リーマンゼータ関数
2.2 テイトモチーフ版
2.3 簡単なガンマ因子
2.4 簡単なオイラー積原理
第3章 オイラー積いろいろ
3.1 自然数から素数へ
3.2 1次のオイラー積
3.3 2次のオイラー積
3.4 r次のオイラー積
3.5 オイラー積原理の例
3.6 オイラー積原理の応用例
第4章 オイラー基盤
4.1 オイラー基盤とは
4.2 ラマヌジャン保型形式の場合
4.3 一般的な道筋
4.4 分類
第5章 具体的問題の効能
5.1 修士論文の頃
5.2 ガロア的オイラー基盤
5.3 オイラー積原理
5.4 有限型と無限型
5.5 練習問題
第6章 有限型オイラー積
6.1 有限型と無限型
6.2 有限型オイラー積
6.3 有限型判定法
6.4 密度定理
6.5 密度定理とディリクレの素数定理
6.6 密度定理の証明方法
6.7 有限型から無限型へ
6.8 円分多項式
6.9 一般の位相群の場合
第7章 チェビシェフ200周年
7.1 チェビシェフの数論
7.2 チェビシェフ多項式
7.3 オイラー稿原理
7.4 チェビシェフ型ゼータ関数
7.5 絶対ゼータ関数
7.6 絶対オイラー積
第8章 剛性定理
8.1 剛性定理
8.2 オイラー基盤
8.3 定理Aと定理Bの証明
8.4 三次のとき
8.5 一般次数版
8.6 通常のゼータの特徴付け
8.7 セルバーグゼータ版
8.8 デデキントゼータ版
8.9 オイラー基盤
8.10 ディリクレ指標版
第9章 γ(H)の研究
9.1 宿題の話
9.2 γ(a,b,c)
9.3 γ(χ1, χ2, χ3)
9.4 自明群
9.5 代数的整数でないγ(H)
9.6 SU(2)
9.7 第3章の宿題のヒント
第10章 絶対リーマン予想
10.1 原始リーマン予想
10.2 絶対リーマン予想
10.3 条件γ(H)=1
10.4 高次版
10.5 原始ゼータ関数と絶対保型形式
10.6 行列式表示
10.7 零点構造
第11章 べき乗予想
11.1 べき乗予想とは
11.2 簡単な場合
11.3 ラマヌジャンのオイラー積
11.4 アダムス作用
11.5 オイラー稿原理から見ると
11.6 セルバーグ型
11.7 べき乗予想の特殊例
11.8 正規版チェピシェフ多項式
第12章 拡張オイラー積
12.1 振り返り
12.2 Q係数への拡張
12.3 井草ゼータ関数
12.4 無限次版
12.5 結語
索引