大学1年生が“線形代数"の半期,もしくは通年の講義で使用する教科書です。
高校数学の教材でトップシェアを誇る数研出版が,これまでに得た知見をもとに「高校数学から見上げた先にある大学数学」という視点で大学初年級の教材をとらえなおし,高校と大学の数学を円滑に接続する新たな“大学の教科書"を高校数学の著者とともに提案します。
新しい教科書を実現すべく,いくつかの具体的な工夫がなされています。
■エシュロン形について。とくに行列の掃き出し法や,ベクトル空間の基底の構成法などは「アルゴリズム(手順)」を大切にする,という原則を貫いています。
■理屈として何ができるか?を明示すため「実際に行ってみせる」ことを,上で掲げた「アルゴリズム的思考」に基づいて丁寧に端折らず記述しています。
■抽象的な解説となるベクトル空間の解説においては,具体的なベクトル空間を3つ挙げ,それらについて詳説していくことを導入で明示し,読者が読み進める際の迷いを少しでも取り除く配慮を施しています。
■大学1年生の線形代数の到達点であるジョルダンの標準形について,すべての場合を網羅しています。
目次
第0章平面と1次変換
1写像と変換
2 1次変換と行列
3いろいろな1次変換
第1章行列の概念
1行列とは何か
2行列の演算
3行列の種々の概念
第2章連立1次方程式
1連立1次方程式と行列
2行列の基本変形
3連立1次方程式とその解
第3章行列の構造
1基本行列と基本変形
2正則行列
3逆行列
第4章行列式
1置換
2行列式
3行列式の計算
第5章ベクトル空間
1ベクトル空間と部分空間
2 1次独立と1次従属
3基底と次元
第6章線形写像
1線形写像
2線形写像の基本性質
3線形写像の行列表現
第7章内積
1内積と計量空間ベクトル
2直交変換とユニタリ表現
第8章固有値問題と行列の対角化
1固有値と固有ベクトル
2正方行列の対角化
3最小多項式と対角化
第9章ジョルダンの標準形
1広義固有空間とジョルダンの標準形
答の部
索引
Author(s): 加藤 文元
Publisher: 数研出版
Year: 2019
Language: Japanese
Pages: 359
まえがき
目次
手引き
学習の目安
第0章 平面と1次変換
1. 写像と変換
2. 1次変換と行列
3. いろいろな1次変換
第1章 行列の概念
1. 行列とは何か
2. 行列の演算
3. 行列の種々の概念
Column. 行列の代数関数論
章末問題
第2章 連立1次方程式
1. 連立1次方程式と行列
2. 行列の行基本変形
3. 連立1次方程式とその解
Column. もう1つのガウスの消去法
章末問題
第3章 行列の構造
1. 基本行列と基本変形
2. 正則行列
3. 逆行列
Column. ケイリー・ハミルトンの定理と行列の平方根
章末問題
第4章 行列式
1. 置換
2. 行列式
3. 行列式の計算
4. 行列式の展開
Column. クラメールの公式の由来
章末問題
第5章 ベクトル空間
1. ベクトル空間と部分空間
2. 1次独立と1次従属
3. 基底と次元
Column. ヤコビ行列とヤコビ行列式
章末問題
第6章 線形写像
1. 線形写像
2. 線形写像の基本性質
3. 線形写像の行列表現
Column. 座標変換と線形写像
章末問題
第7章 内積
1. 内積と計量ベクトル空間
2. 直交変換とユニタリ変換
Column. グラム・シュミットの直交化の由来
章末問題
第8章 固有値問題と行列の対角化
1. 固有値と固有ベクトル
2. 正方行列の対角化
3. 最小多項式と対角化
Column. 固有関数から固有ベクトルヘ
章末問題
第9章 ジョルダンの標準形
1. 広義固有空間とジョルダンの標準形
Column. 2次形式の変換と整数論
章末問題
答の部
第1章 行列の概念
第2章 連立1次方程式
第3章 行列の構造
第4章 行列式
第5章 ベクトル空間
第6章 線形写像
第7章 内積
第8章 固有値問題と行列の対角化
第9章 ジョルダンの標準形
索引