本書は,ヒルベルト空間論に量子力学の基礎づけを与えた「Neumannの理論」への教科書風な入門書であるとともに,特にまたこの理論が古典的な解析学の諸問題を如何に明快かつ一般的に取り扱うことができるかも示すことを目的とする。共立全書49巻として1953年4月に初版が発行された。
Author(s): 吉田 耕作
Publisher: 共立出版
Year: 2002
Language: Japanese
Pages: 226
序
目次
第1編 一般論
第1章 予備概念
§1. Hilbert(ヒルベルト)空間の定義
§2. Hilbert空間の例
§3. 加法的作用素
§4. 射影,Riesz(リース)の定理
§5. 完備性の応用,Gelfand(ゲルファンド)の定理
§6. 強収斂,弱収斂,平均エルゴード定理
第2章 対称性
§7. 積空間,グラフ及び共軛作用素
§8. 閉作用素
§9. 対称作用素
§10. 線形方程式の逐次近似解法(弛緩法)
§11. ウニタリ作用素
§12. Fourier(フーリェ)変換,Plancherel(プランシュレル)の定理
第3章 スペクトル分解
§13. 単位の分解
§14. 正の定符号数列,Helly(ヘリイ)の選出定理
§15. ウニタリ作用素のスペクトル分解
§16. Cayley(ケイリイ)変換
§17. J. von Neumann(ノイマン)のスペクトル分解定理
§18. スペクトル分解の例
第4章 固有値問題
§19. スペクトル
§20. 完全連続積分作用素
§21. 固有値の近似計算
§22. 境界値問題への応用
第5章 作用素の函数
§23. 作用素の函数の定義
§24. Neumann-Riesz-Mimura の定理
§25. Stone(ストーン)の定理
第2編 応用1, Fourier解析
第1章 正の定符号函数
§26. Fourier分析
§27. 正の定符号函数,Bochner(ボホナー)の定理
§28. 正の定符号函数再説
§29. 調和解析1
第2章 概週期函数
§30. 概週期函数の定義
§31. 概週期函数の平均値,畳み込み
§32. 概週期函数に対する Weierstrass(ワイヤストラス)式近似定理
§33. 調和解析 2
第3編 応用2, 一般展開理論及びその二階線形常微分方程式の境界値問題への応用
第1章 一般展開理論
§34. 一般展開理論
第2章 境界点の Weyl による分類
§35. Green(グリーン)公式の応用
§36. 極限点と極限円への分類
§37. 作用素 -y''+q(x)y の特性函数 m_1(λ), m_2(λ) の定義
第3章 Weyl-Stone-Titchmarsh-Kodaira の展開定理
§38. 一般展開定理34.1の応用
§39. Poisson(ポアッソン)積分表示
§40. 完全関係
§41. Weyl-Stone-Titchmarsh-Kodaira の展開定理
§42. Fourier級数及びFourier積分への応用
第4編 補遺
第1章 完備化
§43. 完備化
§44. 半有界作用素,Friedrichs-Freudenthal(フリードリックス-フロイデンタール)の定理
第2章 閉作用素及び正規作用素
§45. 閉作用素の標準分解
§46. 正規作用素の複素スペクトル分解
§47. 正規作用素のスペクトル
第3章 正規作用素の可換系の同時スペクトル分解の定義
§48. 二つの正規作用素の可換性
§49. 互いに可換な射影作用素の可算系に関する J. von Neumann の定理
§50. 定理48.3の証明
第4章 調和函数に関する正射影の方法
§51. 正射影の方法
§52. 二つの補助定理
§53. Weylの定理 51.3 の証明
§54. 正射影の方法の一般化
第5章 再生核の理論
§55. Dirac (デイラック)のδ函数と再生核の定義
§56. 再生核の存在定理及び正の定符号核との関係
§57. 再生核の主要性質
§58. 再生核の具体的表現
§59. S. Bergman(ベルグマン)の核函数
索引
イ、ウ、エ、カ、キ、ク、ケ、コ、サ
シ、ス、セ、タ、チ、テ、ト、ナ、ノ
ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ、ミ、ラ、リ、ル、レ、ロ、ワ