●鍼灸安全性委員会が提起する,日本初の鍼灸医療安全ガイドラインの『鍼灸医療安全ガイドライン』を補完し,鍼灸医療が安全かつ安心な医療として発展することを目指した鍼灸安全対策の実務マニュアル.事故の対処の仕方や解決法,鍼灸師の賠償責任保険制度などにも詳解した.
●事故を起こしてしまったときの対処の仕方や法的解決法.鍼灸師の損害賠償保険制度などについての詳細を,数多く事例をもとに「解決までの経過および解説」を含めて解りやすく解説.
●全編を通じてわかりやすく解説された実用性の高いマニュアルとして鍼灸師はもとより,これから鍼灸を学ぶ学生も必携の書である.
Author(s): 尾崎昭弘, 坂本歩
Publisher: 医歯薬出版
Year: 2010
Language: Japanese
Pages: 154
序文
本マニュアルの目的と使い方
I.はじめに:鍼灸医療の安全
1.医療における危険行為(エラー,違反)
2.医療事故と医療過誤
1)医療事故
2)医療過誤
3)事故や訴訟などが与える影響
II.ヒューマンエラー
1.人は誰でも間違える(To Err is Human)
2.エラーの分類
1)個人が起こすエラー
2)組織・システムによって起きるエラー
3)エラーにかかわるその他の要因
3.ヒューマンエラーは減らせるか
4.鍼灸医療におけるヒューマンエラー
1)待合室でのエラー
2)施術室でのエラー
3)施術後のエラー
参考文献
III.インシデントレポート
1.インシデント報告の意義
2.インシデント報告のルール
1)責めない
2)根本原因を分析する
3)分析結果をフィードバックする
3.インシデント報告システムの効果
4.インシデント報告システムの限界
参考文献
IV.鍼灸医療事故の予防対策(事故発生の防止)
1.患者の権利の認識と擁護,説明義務
1)リスボン宣言(患者の権利)
2)インフォームド・コンセント
2.患者・家族との対話
3.患者情報の収集(医療面接等)
4.カルテの記載と保存
1)カルテ記載の注意点・守秘義務
2)鍼灸臨床におけるカルテの役割
5.施術でのヒューマンエラーの防止
1)ヒューマンエラーとその原因
2)エラー防止対策
3)ヒューマンエラーのダブルチェック
4)被害を最小にするための備え
6.鍼灸医療機器の安全管理
7.鍼灸医療環境の整備
8.感染防止対策
参考文献
V.鍼灸医療事故発生後の対処
1.生命の危険度と医療事故のレベル分類
1)生命の危険度の判断
2)医療事故のレベル分類
2.事故発生直後の対応
1)患者の生命,状態に応じた対応
2)事故原因の排除
3)事故の当事者への配慮
3.死亡または重篤な障害の発生時の報告・連絡
1)鍼灸院または医療機関・教育機関等での報告・連絡
2)家族への連絡
3)緊急報告を受けた組織の責任者(長)の対応
4)緊急時の連絡・対応の習慣化
5)保険会社(または代理店)への報告
4.死亡または重篤な障害以外の事故の報告
5.事故の記録
1)鍼灸カルテへの記録
2)事故報告書の作成・保管
6.患者・家族への説明
1)事故発生直後の患者・家族への説明
2)説明時の会話(コミュニケーション)での注意
3)説明時の態度での注意
4)謝罪または遺憾の意の表明
5)説明にあたっての留意事項(心的外傷)
7.事故の長期的対応と支援
1)患者・家族への支援
2)当事者への支援
8.警察への対応
9.弁護士への相談
10.再発の防止
1)再発防止のための基本的事項
2)鍼灸医療事故の再発防止
参考文献
VI.システムとしての鍼灸医療事故の防止
1.組織的な事故防止の取り組みと情報の共有化
1)事故防止委員会の組織
2)組織としての活動とリーダーシップ
3)情報収集と分析,改善方策の実施
2.事故防止のための教育と訓練
1)医療人としての資質向上の責務と意識改革
2)教育と訓練
3)講習会,研修会の実施
参考文献
VII.鍼灸医療事故の法的解決
1.医療従事者の法的責任と処分
1)法的責任
2)雇用上の処分
2.医療事故による紛争の解決方法
1)示談
2)調停
3)訴訟
4)和解(裁判上の和解)
3.損害賠償額の算定と支払い義務
VIII.鍼灸師の保険
1.鍼灸師の賠償責任保険制度
1)保険制度成立の経緯
2)保険制度の内容
2.保険の加入と種類
1)保険の加入
2)保険の種類
3.過誤の実際
4.賠償問題処理の流れ(ルール)
5.医療機関受診の勧めと保険会社(または代理店)への連絡
6.因果関係の検証
7.賠償金の支払い
1)賠償金の支払い義務
2)損害額の確定
3)示談,調停,裁判による保険金の支払い
4)鍼灸師賠償責任保険での支払い
8.弁護士の依頼
IX.鍼灸医療事故の事例
1.鍼灸医療事故訴訟等の現状
2.事例-解決までの経過(示談,調停,判例,和解)/解説
事例一覧
1 気胸(事例1~3)
2 折鍼・埋没鍼(事例4~8)
3 症状の増悪(事例9)
4 感染(事例10,11)
5 出血(事例12)
6 神経障害(事例13)
7 麻痺(事例14)
8 熱傷(事例15~18)
9 骨折(事例19,20)
10 捻挫・挫傷(事例21)
11 マッサージによる皮膚炎(事例22)
12 その他(事例23)
参考文献
付.資料
付1. 鍼灸師の安全対策における臨床能力は生涯研修の取り組みから
付2. 財団法人東洋療法研修試験財団生涯研修実施要領
付3. 社団法人日本鍼灸師会鍼灸医療リスクマネジメント領域研修制度講習課目
付4. 社団法人日本鍼灸師会会員用医療過誤(事故)時の対応フロー
付5. 事故発生通知書の例
索引
欧あい
うえおかきくけこ
さし
せそたちてとにぬねは
ひふへほまみむめもやゆより
ろわ