ホモロジー群の基本性質からポアンカレの双対定理とその応用までを網羅したテキスト。トポロジー初学者および隣接分野を含めた非専門家を読者対象とし、徹底的にていねいに解説。本文で学んだ内容の理解を深めるため、各節ごとに演習問題を用意し、くわしい解答もつける。
Author(s): 河澄響矢
Publisher: 東京大学出版会
Year: 2022
Language: Japanese
Pages: 749
目次(上)
目次(下)
はじめに
第1章 ホモロジー群とはどういうものか?
1.1 弧状連結成分
1.1.1 弧状連結性
1.1.2 π₀(X)の定義とその函手性
1.1.3 弧状連結性と連結性
1.1.4 Lebesgue数
1.1.5 商空間と等化写像
1.1.6 演習問題(§1.1)
1.2 第0ホモロジー群
1.2.1 自由加群
1.2.2 自然性について
1.2.3 完全列
1.2.4 被約ホモロジー群
1.2.5 第0ホモロジー群のMayer-Vietoris完全列
1.2.6 演習問題(§1.2)
1.3 ホモロジー群とはどのようなものか?
1.3.1 ホモロジー群の基本性質
1.3.2 ホモトピー同値
1.3.4 演習問題(§1.3)
1.4 球面の写像度
1.4.1 S¹上の余H空間の構造
1.4.2 実射影空間の第一ホモロジ一群
1.4.2 実射影空間の第一ホモロジー群
1.4.3 演習問題(§1.4)
第2章 ホモロジー群を作る
2.1 特異ホモロジー群の定義
2.1.1 標準n-単体
2.1.2 特異チェイン複体
2.1.3 チェイン複体
2.1.4 チェイン写像の一般論
2.1.5 「基本性質」(III)(V)
2.1.6 標準n-単体Δⁿの形状
2.1.7 演習問題(§2.1)
2.2 特異ホモロジー群のホモトピー不変性
2.2.1 ホモトピーとチェイン・ホモトピー
2.2.2 プリズム分解
2.2.3 可縮な空間のホモロジー群
2.2.4 非輪状モデル定理
2.2.5 演習問題(§2.2)
2.3 ホモロジー完全列
2.3.1 連結準同型
2.3.2 連結準同型の自然性
2.3.3 ホモロジー完全列
2.3.4 演習問題(§2.3)
2.4 Mayer-Vietoris完全列
2.4.1 連結準同型の幾何学的意味
2.4.2 被約ホモロジー群のMayer-Vietoris完全列
2.4.3 重心細分
2.4.4 定理2.4.2の証明
2.4.5 演習問題(§2.4)
第3章 基本群とvan Kampenの定理
3.1 基本群の定義と簡単な性質
3.1.1 位相空間の三つ組
3.1.2 基本群
3.1.3 円周S¹の基本群
3.1.4 指数函数の被覆ホモトピー性質
3.1.5 基本亜群
3.1.6 基本群の基点のとりかえ
3.1.7 演習問題(§3.1)
3.2 van Kampenの定理
3.2.1 群の融合積
3.2.2 融合積の構成
3.2.3 van Kampenの定理の定式化
3.2.4 van Kampenの定理の証明
3.2.5 演習問題(§3.2)
3.3 基本群とホモロジー群
3.3.1 余H構造とホモロジー群の関係
3.3.2 群のアーベル化
3.3.3 基本群のアーベル化
3.3.4 H空間
3.3.5 演習問題(§3.3)
第4章 空間対についてホモロジー群を考える
4.1 空間対のホモロジー群
4.1.1 空間対のホモロジー群の定義
4.1.2 対のホモロジー群の「基本性質」
4.1.3 演習問題(§4.1)
4.2 写像度の局所化
4.2.1 写像度の定義
4.2.2 写像度の局所化
4.2.3 写像度の計算
4.2.4 ℝⁿのホモロジーと同相写像
4.2.5 正則写像との関係
4.2.6 多様体の向きとホモロジー群
4.2.7 演習問題(§4.2)
4.3 Euler標数と有限胞体複体
4.3.1 チェイン複体のEuler標数
4.3.2 向き付け可能閉曲面のパンツ分解とEuler標数
4.3.3 有限胞体複体
4.3.4 複素射影空間
4.3.5 有限胞体複体のEuler標数
4.3.6 有限単体複体
4.3.7 演習問題(§4.3)
4.4 有限胞体複体のホモロジー群
4.4.1 有限胞体複体のホモロジー
4.4.2 境界作用素の記述
4.4.3 部分複体
4.4.4 2次元トーラス
4.4.5 向き付け可能閉曲面とKleinのつぼ
4.4.6 直積
4.4.7 実射影空間
4.4.8 有限半順序集合
4.4.9 演習問題(§4.4)
4.5 多様体の基本類
4.5.1 境界付き位相多様体
4.5.2 基礎となる補題とその応用
4.5.3 カラー近傍の存在定理
4.5.4 基本類の構成
4.5.5 多様体の連結和
4.5.6 絶対近傍レトラクト
4.5.7 演習問題(§4.5)
第5章 ホモトピー群とファイバー空間
5.1 ホモトピー群の定義と基本的性質
5.1.1 ホモトピー群の定義
5.1.2 球面の余H構造との関係
5.1.3 π_N(S^N,*)≅ℤの証明
5.1.4 基本亜群の作用
5.1.5 帰納極限
5.1.6 対のホモトピー群
5.1.7 連結準同型とホモトピー完全列
5.1.8 演習問題(§5.1)
5.2 ファイバー空間
5.2.1 Serreファイバー空間であるための充分条件
5.2.2 Serreファイバー空間のホモトピー完全列
5.2.3 簡単な計算例
5.2.4 演習問題(§5.2)
5.3 被覆空間
5.3.1 被覆空間の定義
5.3.2 被覆空間の被覆ホモトピー性質
5.3.3 リフトの存在定理
5.3.4 被覆空間の分類定理
5.3.5 演習問題(§5.3)
第6章 ホモロジー群の係数をとりかえる
6.1 アーベル群に係数をもつホモロジー群
6.1.1 平坦性
6.1.2 加法的函手
6.1.3 自由加群
6.1.4 有理数体ℚのℤ入射性およびℤ平坦性
6.1.5 有限生成アーベル群の基本定理
6.1.6 演習問題(§6.1)
6.2 ホモロジーの普遍係数定理
6.2.1 単項イデアル整域
6.2.2 クロス積の単射性とプロト普遍係数定理
6.2.3 自由分解
6.2.4 トーションTor
6.2.5 Euler標数
6.2.6 演習問題(§6.2)
6.3 アーベル群に係数をもつ特異ホモロジー群の基本的性質
6.3.1 有限胞体複体のホモロジー
6.3.2 多様体のホモロジー
6.3.3 ℤ/2-基本類
6.3.4 ℤ/2-写像度と局所化
6.3.5 演習問題(§6.3)
第7章 ベクトル束
7.1 ベクトル束の定義
7.1.1 ベクトル束の定義
7.1.2 Euclid空間の部分多様体の接束と法束
7.1.3 C^∞多様体の接(ベクトル)束
7.1.4 貼り合わせによるベクトル束の構成
7.1.5 複素解析多様体上の因子
7.1.6 等質ベクトル束
7.1.7 演習問語(§7.1)
7.2 ベクトル束の準同型定理
7.2.1 部分ベクトル束と商ベクトル束
7.2.2 法(ベクトル)束
7.2.3 双対ベクトル束
7.2.4 ベクトル束の分類写像
7.2.5 演習問題(§7.2)
7.3 ベクトル束の演算
7.3.1 Whitney和⊕
7.3.2 局所枠
7.3.3 テンソル積
7.3.4 線型写像のベクトル束Hom
7.3.5 計量
7.3.6 管状近傍定理
7.3.7 演習問題(§7.3)
7.4 ベクトル束の引き戻し
7.4.1 ベクトル束の線型写像
7.4.2 ファイバー積
7.4.3 ベクトル束の引き戻し
7.4.4 引き戻しのホモトピー不変性
7.4.5 ベクトル束の分類空間
7.4.6 実ベクトル束の向き
7.4.7 向き付け被覆空間
7.4.8 局所Euler数
7.4.9 演習問題(§7.4)
第8章 特異コホモロジー群
8.1 特異コホモロジー群の定義とコホモロジーの普遍係数定理
8.1.1 コチェイン複体の一般論
8.1.2 チェイン複体の双対
8.1.3 プロト普遍係数定理
8.1.4 Extについて
8.1.5 普遍係数定理
8.1.6 演習問題(§8.1)
8.2 特異コホモロジー群の基本的性質
8.2.1 直ちに分かる性質
8.2.2 Mayer-Vietoris完全列と切除定理
8.2.3 有限胞体複体のコホモロジー
8.2.4 演習問題(§8.2)
8.3 Euler類
8.3.1 Euler類の構成の原型
8.3.2 仮構切断
8.3.3 相対Euler類
8.3.4 有限胞体複体上のEuler類
8.3.5 複素直線束の第一Chern類
8.3.6 有限胞体複体上の第一Chern類
8.3.7 mod 2 Euler類と第一Stiefel-Whitney類
8.3.8 演習問題(§8.3)
第9章 積
9.1 カップ積とキャップ積
9.1.1 コチェインのレベルでのカップ積
9.1.2 (コ)チェインのレベルでのキャップ積
9.1.3 切除対
9.1.4 チェイン・ホモトピー同値
9.1.5 空間対におけるカップ積とキャップ積
9.1.6 有限胞体複体の部分複体の切除性
9.1.7 演習問題(§9.1)
9.2 直積空間の(コ)ホモロジー
9.2.1 チェイン複体のテンソル積
9.2.2 Eilenberg-Zilberの定理とAlexander-Whitney写像
9.2.3 ホモロジーのクロス積
9.2.4 コホモロジーのクロス積
9.2.5 演習問題(§9.2)
第10章 Poincaré双対定理とその応用
10.1 Poincaré-Lefschetz双対定理
10.1.1 コホモロジーの帰納極限
10.1.2 双対定理の証明
10.1.3 Jordanの曲線定理
10.1.4 演習問題(§10.1)
10.2 多様体上の交叉形式
10.2.1 交叉形式の定義
10.2.2 交叉形式の幾何的計算方法
10.2.3 絡み数
10.2.4 多様体の符号数
10.2.5 演習問題(§10.2)
10.3 Thom同型定理とその応用
10.3.1 Thom同型定理
10.3.2 Euler類とGysin完全列
10.3.3 自然性
10.3.4 部分多様体のPoincaré双対
10.3.5 Poincaré-Hopfの定理
10.3.6 ℤ/2-Thom同型定理
10.3.7 複素ベクトル束のChern類
10.3.8 演習問題(§10.3)
おわりに
附録. 準備的補足
A.1 位相空間と連続写像
A.1.1 位相空間
A.1.2 連続写像
A.1.3 同相
A.1.4 離散位相と密着位相
A.1.5 部分空間
A.1.6 ディスジョイント和
A.1.7 被覆と弱位相
A.1.8 位相空間の(有限)直積
A.1.9 コンパクト性
A.1.10 Hausdorff空間
A.1.11 連続全単射が同相であるための一つつの充分条件
A.1.12 距離空間
A.1.13 閉包,内部,点列
A.1.14 コンパクト距離空間
A.1.15 連結性
A.1.16 Urysohnの補題,Tietzeの拡張定理,1の分割
A.1.17 Sardの定理
A.2 集合についての補足
A.2.1 同値関係
A.2.2 商集合
A.2.3 well-definedとはどういうことか?
A.2.4 選択公理とZornの補題
A.3 群
A.3.1 群
A.3.2 準同型写像
A.3.3 同型
A.3.4 部分群
A.3.5 商群
A.3.6 同型定理
A.3.7 群の作用
A.3.8 加群
A.4 可換環上の加群
A.4.1 可換環
A.4.2 R加群
A.4.3 R準同型写像
A.4.4 Hom
A.4.5 テンソル積
A.4.6 体の特徴付け
A.5 圏と函手
A.5.1 圏
A.5.2 函手と自然変換
参考文献
索引
英数ア
カ
サ
タナハ
マヤ
ラワ