孤立超曲面特異点に関わる三種の対象「特異点・ルート系・離散群」の間には、いくつもの興味深い関連が見出されている。いまだ謎が多いその起源の解明に向けて、原始形式やフロベニウス構造など微分幾何的構造に焦点を当てた入門的解説を行う。展開した理論をもとにミラー対称性の具体例を紹介し、発展的話題にも触れる。
Author(s): 高橋 篤史
Series: 岩波数学叢書
Publisher: 岩波書店
Year: 2021
Language: Japanese
Pages: 262
まえがき
目次
1. 可逆多項式とウェイト系
1.1 可逆多項式
1.2 可逆多項式の対称性
1.3 Hodge数と冪指数
1.4 転置双対性
1.5 双対群と位相的ミラー対称性
1.6 冪指数の分散
1.7 3変数可逆多項式の分類と特異点
1.8 種数とDolgachev数
2. Frobenius構造入門
2.1 Frobenius構造
2.2 平坦座標系
2.3 Frobeniusポテンシャル
2.4 WDVV方程式
2.5 第一構造接続
2.6 半単純Frobenius構造
2.7 判別式
2.8 第二構造接続
2.9 交叉形式
2.10 双線型形式の平坦線型束
2.11 Frobenius多様体に付随する周期写像
3. ルート系とWeyl群
3.1 ルート系
3.2 ルート基底
3.3 有限ルート系の分類
3.3.1 A_μ 型ルート系
3.3.2 D_μ 型ルート系
3.3.3 E_μ 型ルート系
3.4 アフィンADE型ルート系
3.5 Coxeter元とEuler形式
4. 有限Weyl群不変式とFrobenius構造
4.1 有限Weyl群不変式に関する諸結果
4.1.1 A型ルート系の場合
4.2 Weyl群商空間
4.3 双線型形式の平坦線型束によるFrobenius構造の構成
4.3.1 双線型形式の平坦線型束
4.3.2 平坦座標系
4.3.3 積構造
4.3.4 Frobeniusポテンシャル
5. アフィンWeyl群不変式とFrobenius構造
5.1 アフィンADE型Weyl群不変式に関する諸結果
5.1.1 準備
5.1.2 Weyl群とその作用
5.1.3 拡大アフィンWeyl群と不変式
5.1.4 巨大体積極限
5.2 Frobenius構造の構成
6. 原始形式入門 (ADE型)
6.1 普遍開折
6.2 積単位ベクトル場・Eulerベクトル場
6.3 判別式とMilnor格子
6.4 齋藤構造
6.4.1 フィルター付き de Rham コホモロジー群
6.4.2 Gauß-Manin接続
6.4.3 高次留数形式
6.5 原始形式
6.6 原始形式の存在
6.7 原始形式ζにより定まるFrobenius構造
6.7.1 双線型形式 η_ζ
6.7.2 単位ベクトル場eの性質
6.7.3 接続 ▽^ζ
6.7.4 双線型形式 K_ζ
6.8 具体例
6.9 平坦座標
6.10 周期写像と交叉形式
7. 原始形式入門 (アフィンADE型)
7.1 アフィンカスプ多項式
7.2 アフィンカスプ多項式の普遍開折
7.3 積・単位ベクトル場・Eulerベクトル場
7.4 齋藤構造
7.4.1 フィルター付き de Rham コホモロジー群
7.4.2 Gauß-Manin接続
7.4.3 高次留数形式
7.4.4 巨大複素構造極限
7.5 原始形式
7.6 再構築定理
8. ミラー対称性
8.1 背景
8.2 ホモロジー的ミラー対称性
8.2.1 可逆多項式に対するホモロジー的ミラー対称性予想
8.2.2 ADE型可逆多項式のホモロジー的ミラー対称性
8.2.3 カスプ多項式のホモロジー的ミラー対称性
8.3 古典的ミラー対称性
参考文献
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索引
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