物質の対称性と群論

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この本では,点群や空間群を通して原子の並び方をもたらす対称性を感覚的に学んだ後,基本的な群の概念と量子力学を復習し,分子軌道法やバンド理論などの応用に少しづつ移るというアプローチを取っています。つまり,材料・固体物理・化学などを学ぶ読者に向けて,「対称性」というテーマで結ばれた,いわばバリアフリーの状況を作り出し,始めのハードルをできるだけ低くしたいという意図なのです。さらに,著者自身が作成した300を越す図面と豊富な表を用いて,非常にていねいな説明がなされています。 本書は,対称性の取り扱いと“使える群論"を身に付けたい方々にとって,大きな助けとなるでしょう。

Author(s): 今野 豊彦
Publisher: 共立出版
Year: 2001

Language: Japanese
Pages: 330

序文
目次
第0章 はじめに
0.1 対称操作とは何か
0.2 対称性が果たす役割り:本書の概要
0.3 表記法について
第I部 対称性と結晶学
第1章 ブラベー格子と結晶系
1.1 結晶構造
1.2 対称操作
1.3 ネット(2次元格子)
1.4 ブラベー格子
1.5 結晶系
第2章 点群
2.1 点群の図示:ステレオ投影
2.2 点対称操作の表記
2.3 点群
2.4 結晶に存在する32種類の点群の導出
2.5 各点群の極点と対称要素のステレオ図
2.6 シェーンフリース表記
2.7 32種類の点群の特徴といくつかの分類法
第3章 空間群
3.1 部分的並進操作を伴う対称操作:ノンシンモルフィック操作
3.2 2次元空間群
3.3 3次元空間群
3.4 International Tables for Crystallography
3.5 回折現象と対称操作
3.6 実在の物質の構造の例
第II部 群論と量子力学
第4章 群論入門
4.1 群とは何か
4.2 積表と再配列定理
4.3 部分群と巡回群
4.4 相似変換とクラス
4.5 群の表現
4.6 既約表現とキャラクター表
4.7 大直交定理
4.8 既約化と直積
4.9 射影演算子
4.10 利用例
第5章 量子力学の復習
5.1 ベクトル空間と状態ベクトル
5.2 固有状態とシュレディンガー方程式
5.3 縮退した状態:3次元井戸
5.4 交換関係と CSCO
5.5 近似法
5.6 対称操作と量子力学
第6章 球対称場における原子の状態
6.1 中心力の場
6.2 一電子系の固有状態
(i) 動径方向
(ii) (θ. ψ) 方向
6.3 多電子系の取扱い
6.4 タームシンボル
6.5 フントの法則
6.6 スピン―軌道相互作用
6.7 L-S カップリングと j-j カップリング
第III部 物質の対称性とその応用
第7章 配位子場理論
7.1 配位子場理論とは
7.2 点対称場における一電子状態の既約表現
7.3 多電子系固有状態の既約表現:弱い結晶場の場合
7.4 強い結晶場の場合
7.5 低対称化の方法
7.6 エネルギー相関図
7.7 田辺-菅野ダイヤグラム
7.8 配位子場理論の応用例:金属錯体を中心にして
第8章 分子軌道法
8.1 分子軌道法の基礎:二原子分子 H2+ の状態
8.2 波動関数の対称性と重なり積分S
8.3 分子軌道の既約表現:二原子分子の場合
8.4 MOダイヤグラム
8.5 配置間相互作用と非交差則
8.6 分子における多電子系固有状態とタームシンボル
8.7 スペクトロスコピー
8.8 異種二原子分子の対称性と既約表現
8.9 三原子分子
第9章 分子振動
9.1 振動と回転運動の分離
9.2 運動の自由度
9.3 質点系の運動方程式
9.4 基準振動
9.5 基準振動の既約表現
9.6 座標系の選択:対称座標系
9.7 射影演算子を用いた振動モードの図示
9.8 基準モードと状態関数
9.9 赤外およびラマン分光
第10章 バンド理論
10.1 巡回群の既約表現とエネルギー準位
10.2 既約表現 Γ_κ と波数 k
10.3 ブロッホの定理とブロッホ関数
10.4 逆格子とブリルワンゾーン
10.5 格子振動
10.6 電子の状態:自由電子モデル
10.7 電子の状態:タイトバインディングモデル
10.8 結晶の点対称性とバンド
10.9 k の群とバンド構造
10.10 適合関係
10.11 ポテンシャルがゼロでない場合
10.12 ノンシンモルフィックな系、スピン-軌道相互作用
第11章 テンソル
11.1 物性テンソルとフィールドテンソル
11.2 テンソルの定義
11.3 極性テンソルと軸性テンソル
11.4 テンソル成分の削減とマトリックス表示:フィールドテンソルの対称性
11.5 熱力学的な対称性と物性テンソル
11.6 ノイマンの原理
11.7 結晶の対称性と物性テンソル:直接法
11.8 結晶の対称性と物性テンソル:群論に基づいた手法
11.9 いくつかの応用例
問題解答
3.1
3.12
3.26
4.14
5.3
8.1
8.5
9.1
9.3
10.2
10.14
11.2
11.12
付録
付録A. 点群23およびm3mの対称性を有する立体模型
付録B-1. 並進対称性と両立する32種類の点群
付録B-2. 並進対称性と両立する32種類の点群の一般点と対称要素のステレオ投影図
付録C. 17種類の2次元空間群の一般点と対称要素
付録D. International Tables に記載された3次元空間群のデータの例(第3章参照)
付録E. キャラクター表
付録F. 対称テンソルの非ゼロ成分と等価な成分
参考文献
索引
あ、い、う、え、お、か、き
く、け、こ
さ、し、す
せ、そ、た
ち、て、と、な、に、ね、の、は
ひ、ふ
へ、ほ、ま、み、も、や、ゆ、よ、ら
り、る、れ、わ
B, C, E, G, H, I, J, K, L, M, S, U