粗幾何学入門: 「粗い構造」で捉える非正曲率空間の幾何学と離散群

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近年,多様体の範疇を超えた空間の幾何学が活発に研究されている.その一つである粗幾何学(coarse geometry)は,空間を遠くから眺めたときに見えて来る,粗い構造に着目した研究である.本書は,距離空間の基本的な知識をベースに,非正曲率空間の粗幾何学と粗バウム・コンヌ予想を解説した他に類を見ないテキストである.

Author(s): 深谷 友宏
Series: SGCライブラリ 152
Publisher: サイエンス社
Year: 2019

Language: Japanese
Pages: 200

書評
まえがき
第1章 距離空間の粗同値と擬等長同型
1.1 粗構造
1.1.1 粗同値
1.1.2 擬等長同型
1.1.3 グラフ
1.2 群の幾何学化
1.2.1 群上の固有な左不変距離
1.3 粗ホモトピー
1.4 開錘の粗幾何学
1.5 コンパクト化
第2章 距離空間の増大度
2.1 一様に離散的な距離空間の増大度
2.2 有界幾何学を持つ距離空間に対する増大度
2.2.1 測度距離空間の場合
2.2.2 ハイゼンベルグ群の粗幾何学
2.2.3 発展
第3章 グロモフ双曲空間
3.1 導入
3.2 グロモフ積
3.3 測地三角形
3.4 双曲空間の測地線への射影とモースの補題
3.5 グロモフ双曲空間の粗凸性
第4章 双曲空間の境界
4.1 二分木の場合
4.1.1 二分木の構成
4.1.2 二分木の境界
4.2 測地光線
4.2.1 測地光線の漸近的な振る舞い
4.2.2 測地光線の構成
4.3 境界の構成
4.3.1 擬測地光線モデル
4.3.2 測地光線モデル
4.3.3 点列モデル
4.3.4 3つのモデルが等価であること
4.4 境界の位相
4.5 発展
第5章 様々な非正曲率空間
5.1 CAT(0) 空間
5.2 ブーゼマン空間
5.3 シストーリック複体
第6章 粗凸空間
6.1 粗凸空間の定義
6.2 理想境界
6.2.1 L-近似可能光線
6.2.2 グロモフ積
6.2.3 理想境界の位相
6.2.4 擬測地光線の構成
6.2.5 理想境界上の距離
6.2.6 基点の取り替え
6.2.7 例
6.2.8 粗凸空間の直積の理想境界
6.3 粗カルタン・アダマールの定理
6.3.1 設定
6.3.2 指数写像
6.3.3 対数写像
6.3.4 O∂_OX とexp_ϵ(O∂_OX)の間の粗ホモトピー
6.3.5 exp_ϵ(O∂_OX)とXの間の粗ホモトピー
第7章 粗代数的位相幾何学
7.1 一般粗ホモロジー論
7.1.1 粗空間の圏
7.1.2 粗ホモロジーの公理
7.1.3 粗ホモトピー
7.2 位相空間のホモロジー論を用いた粗ホモロジー論の構成
7.2.1 LCSH 空間の圏の一般ホモロジー論
7.2.2 反チェック系列
7.2.3 1 の分割と粗化写像
7.3 開錘の粗ホモロジー
第8章 粗バウム・コンヌ予想
8.1 距離空間が表現されたヒルベルト空間とロー代数
8.2 粗バウム・コンヌ予想
8.2.1 非同変組み立て写像
8.2.2 可変長な固有距離空間に対する非同変組み立て写像
8.2.3 粗組み立て写像
8.3 粗バウムコンヌ予想と微分幾何学微分位相幾何学との関係
8.4 粗バウムコンヌ予想が成立する空間
8.4.1 粗代数的位相幾何学の応用
8.4.2 ユーの定理
8.4.3 ユーの定理の適用範囲外
第9章 その他の話題
9.1 漸近次元
9.2 性質A とヒルベルト空間への埋め込み
9.3 エキスパンダーグラフ
9.3.1 高内周条件とモンスター群
9.4 カジュダンの性質(T)
付録A. 距離空間の一般論
A.1 ヒルベルト空間への位相埋め込み
A.2 概距離空間
付録B. 単体複体168
B.1 抽象単体複体
B.2 幾何学的実現
付録C. 作用素環のK理論について
C.1 C*環とK理論
C.1.1 K₀の構成
C.1.2 K₁群の構成
C.2 本文中で使われる命題
参考文献
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[49]
[66]
索引
欧アカ

タナハ
マヤラ